2010年 05月 30日
当てる・鳴らす・響かす 発声する上での禁止指定事項。私にとってはこの3つ。 「ねらう」「あつめる」 これらもまた危険区域だ。 声楽のレッスンでは「当てて」「鳴らして」「響かせて」という指示の単語は 一般的だが、私には言うのも言われるのも心地良い言葉ではない。 初めての生徒さんのレッスンではまず、この3つを意識することを 「やめてみましょう」と伝える。 すると大抵面食らった顔をされるので 「当たった・鳴った・響いた という“結果”はもちろん歓迎!」と説明する。 当てよう・鳴らそう・響かそうとする意識は“りきみ”を生むと思うからだ。 だが体のどの部分に力みが生じるかは、人によって違うだろうし、 こういった単語で発声をイメージしても全く力まない人もいるだろう。 私は、力みます。特に後頭部、首の後ろ、あご etc・・・。 「あぶない」と感じてしまう理由はもうひとつ。 その意識によって成功した場合、鳴ってるな・響いてるなという快感のアンテナが 歌っている間ずっと心身の内側に向いてしまいそうだから。 力んで生まれた音は大きな音量になることはあっても、 空間を狭く、開放されないものにしてしまう。 禁止!と思わなければまずい、というのは それだけ私は捕まりやすいということですね。 書いてて気づく。 良い歌声を定義するのは不可能だが、あえて言うなら 「通りのよい声」というのが、今は一番近い表現だ。 空間をよく通る声、というだけではない。 「体を通りぬけている声」だ。 首から上だけ・胸から上だけでは「通り抜ける」にはならない。 足の下の地面から体を通って空気に還っていく。 なにが? 通っていくのか? 息 なのですが、この話はまた。
by hatano-mutsumi
| 2010-05-30 14:00
| エッセイ
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