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2011年 09月 17日

ビリティス

賛否両論あろうかと思われるyoutubeだが
最近見つけた画像にくぎづけになった。
20世紀フランスが生んだ名ソプラノ、スザンヌ・ダンコが歌う
ドビュッシーの「ビリティスの歌」だ。

イギリスのプリテン・ピアーズスクールのフランス歌曲コースで
スザンヌ・ダンコに指導を受けたのはもう20年以上も前だ。
ヨーロッパ、アメリカ、カナダから10人ほど生徒が集まり
10日間のフランス歌曲漬け。
先生はもう一人いて、唯一無二のユニークなテナーであられたユグ・キュエノ氏。
氏は確かその時80代、マダム・ダンコは70代後半のお歳でいらしたのだが
お二人とも全くお元気で、特にマダムのレッスンのスパイシーなこと
コースが始まって3日もする頃には生徒は皆ピリピリしびれていた。

その時に持って行ったレッスン曲がドビュッシーの「ビリティスの歌」だ。
歌い始めてすぐに
 マダム「やめ! テクスト(詞)を読んでみなさい」
 わたし「ぷうーる・・・れ・・じゅうる・でー・・・じやさんてぃー」 
 マダム「やめ!」
そのような朗読しかできずにこれを歌うとはもってのほか! 違う曲!
ということで全くみてもらえませんでした。
かと思えば、居残り個人レッスンなどしてくださったのもマダムで、
その時いただいた言葉と共に、あのレッスンは一生忘れられない時間だ。

あれからバロックオペラ創生期の「レチタール・カンタンド」の考え方や、
詩を朗読することと歌うことが同義のようなルネサンスの歌曲を経験した。
あの時の自分の無謀さにあきれ果てるしかない。
コースではとにかく「言葉をいいなさい!」「ちゃんと息をしなさい!」と
連日しごかれたが、
気がつけば、それらはそのまま
現在自分がレッスンする時に連呼している“二大事項”なのだった。
そして「じゃ、朗読してみましょうか」と涼しい顔で生徒に注文。

11月に初めてビリティスを演奏することになり、youtubeをさまよっていたら
マダムとの予期せぬ再会です。
あの23年前のコースでマダムが繰り返し強調していた言葉との接し方、
子音の言い方、単語の強調の仕方など、そのまま耳によみがえってきて
不思議なデジャヴ感にひたった。

11月6日三軒茶屋のサロン・テッセラにて、
高橋悠治さんのリサイタルのゲストとして出演します。
ストラヴィンスキーの「The owl and the pussy cat」ほか面白い曲だらけ。
お問い合わせは下記まで。

 アレグロミュージック 03-5216-7131
 テッセラ音楽祭実行委員会 http://atarashii-mimi.jp

by hatano-mutsumi | 2011-09-17 18:31 | コンサート