<   2010年 06月 ( 3 )   > この月の画像一覧


2010年 06月 24日

訳詞百景

2008年から毎年春の1学期間だけ、ICU(国際基督教大学)で講師を務めている。
週に1回「ゴロチ」と呼ばれる3時限、約4時間を10人ほどの学生と過ごす。
科目は「音楽演奏研究1」という。
なんだかりっぱな響きだけど、実際は
こちらが演奏する、生徒が演奏する、話す、話させる、と何でもあり。
学生はプレゼンやディスカッションの訓練を受けていることもあって、
みんな話し始めると止まらない。
今年も面白かったなー。

ICUに演奏科はないが、この授業を受ける学生は楽器や歌の素養のある子が多く
演劇をやったり、ジャズライヴをやったり、合唱団やオケの指揮をやったりと
様々に活動している。

毎年授業のテーマは違うが、同じ「宿題」を課すことにしていて、
それはダウランドの「Flow my tears」を自分の言葉で訳すこと。
今年はバイリンガルのKくんが変わり種のヒット作を出してくれた。
以下は、彼の「日本語訳」と「ギャル訳」です。

 <Flow My Tears>
 泉より流れよ、我が涙
 永遠に追放され、私は嘆きに沈む
 夜の黒い鳥が、悲しい辱めを歌うところで
 私はひとりぼっちになっている

  ぁたUσ涙 か〃泉から流れるU
  ヵ〃千に追ぃ出されτサヶ〃→
  夜σ 黒ぃ鳥か〃まU〃悲Uぃ 歌っτっから
  まU〃□冫リ→

 失せよ、むなしい光よ もう輝くな
 夜の闇は、深すぎることはない
 絶望の内に、末期の運命を嘆く者には
 光はただ辱めを暴くだけなのだ
 
  まU〃光 厶ヵTK から光ωなぃτ〃
  夜とか 暗すき〃 なぃ感U〃τ〃
  ヵ〃千サヶ〃τ〃 、 〒冫ショ冫下か〃っちゃっτる子は
  ゃは〃ぃ ことは〃らされちゃぅた〃けた〃から

  ・・・・・・・中略・・・・・・・

 聞け、暗闇に住む影たちよ
 光を軽蔑するがよい
 幸いなるかな、幸いなるかな 地獄に在りて
 この世の侮蔑を、感じることなかれ
 
  マシ〃聞けっτ 、 ネヵ〃〒ィフ〃 なとこに住ωτ〃る影≠ャラ たち
  陽≠ャラ とか総ス儿→ Uτぃぃから
  なωかラッ≠→ なことに激マシなとこτ〃
  まゎりσネヵ〃〒ィフ〃 とか総ス儿→Uτ (訳:K・G)



読めませんでした。全く。
クラスの女子に「音読」してもらってやっと 「ほお〜」。
嵐山光三郎さんの「R」に衝撃を受けた世代の私。
ギャル語、恐るべし。

by hatano-mutsumi | 2010-06-24 14:42 | エッセイ
2010年 06月 13日

時代の音シリーズ

仙台の東北学院大学にて「声・言葉・体」というタイトルで
3回シリーズのレクチャーコンサートをします。

このブログに書いているような声と体のこと、言葉とのつながりなど
レクチャー(というより「お話」です)と演奏の両方で。
第1回はピアノと共に
モンポウ、プーランク、サティなどを前半に
山田耕筰などの日本の歌を後半に
「ことばがうたわれる時」というテーマで歌います。

東北学院キャンパス内のチャペルにて。
どうぞのぞいてください。



公演情報:「時代の音


by hatano-mutsumi | 2010-06-13 22:08 | コンサート
2010年 06月 05日

影の反オペラ2 詩人

「納戸の夢ーあるいは夢のもつれー」は
時里二郎さんにお願いして書いていただいた、音楽と一緒になることを前提として
書かれた言葉だ。

時里さんは関西にお住まいの詩人。これまでに
「星痕を巡る七つの異文」(1991書肆山田)
「ジパング」(1995思潮社)
「翅の伝記」(2003書肆山田)など出版されている。
その作品は「詩」というより「譚」という言葉を使って表現される。
反オペラ「納戸〜」は、時里さんの描く静かな世界に惹かれてはじまった、
夢のはなし。

コンサート前半に演奏される、ショスタコーヴィチの歌曲集
「マリーナ・ツヴェターエヴァの6つの詩」は高橋悠治さんの選曲です。
この歌曲集は原語のロシア語ではなく、悠治さんによって訳された
日本語で歌います。

公演まであと6週間あまり。
もはや、昼も夜も「夢」三昧です。

by hatano-mutsumi | 2010-06-05 23:55 | コンサート