2010年 10月 05日

昭和の田舎

作曲家・小倉朗没後20年記念コンサートにて
「木下夕爾の詩による八つの歌」を歌います。
   
   ひばりのす
    ふろたき
     山家のひる
      汽車のけむり
       すいっちょ 

などなど タイトルを並べるだけで情景が浮かぶ。

詩人は作曲家(1916年生)と早稲田大学仏文時代の同級生だそうだ。
私は1964年生まれなので約50年ほど年代が違うけれど、
九州育ちで、加えて休みになると父方の田舎に遊びにいった記憶から
この詩の中の空気はひどく懐かしい。

嗅覚と記憶の結びつきは深いそうだ。
五右衛門風呂を焚く匂い 庭のつつじや水仙の匂い 畑の匂い
楽譜から色々と漂ってくる。
そういえば昔「こすると香る」グッズが昭和の女子小学生の間で流行りました。

この歌曲集、情景はのどかで音楽はクール。かっこいい。
名著「日本の耳」の著者でもある作曲家が「めずらしくすらすら書けた」と。
すらすらと歌えたら、いいなぁ。

お問い合わせはこちらです。
  没後20年 小倉朗室内楽作品展 実行委員会 042−421−1809
           日時:10月18日19時開演 銀座王子ホール

by hatano-mutsumi | 2010-10-05 22:03 | コンサート


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